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市街地に住まない贅沢

2016.11.09

こんにちは。R-STORE『ハンサム』浅井です。

こんな記事が載っていた。「コンパクトシティはなぜ失敗するのか 富山、青森から見る居住の自由」

乱暴にまとめると、コンパクトシティ政策で中心市街地に居住を集中させて、インフラの整備・維持・管理コストを低減させ(=つまり税金の節約につながらう)、人口減少が止まらない地方を持続可能な都市にしていこうという試みが、うまくいかないのだと。結局中心市街地に住むよりも、郊外に住む方がコストが安く、すでに整備された道路を使えば不便もなく、住み慣れた土地への愛着もあるので転居しようとする人が少なく、コンパクトシティ政策も企画倒れになりそうだ、と。そんな感じである。

まあ、当たり前である。誰だって住み慣れた土地から離れるのは容易ではないし、わざわざ生活コストを上げてまで将来の地方の維持に協力しようなんて思いになるわけがない。だから、こんな結果は最初からわかっているので、なにをいまさら、という感じではある。

ただ、一方で認識しないといけないのは、以前に比べて市街地以外に住む(地方、郊外といった言葉は解釈に色々ありそうなのでこの言葉を使ことにする)に住むことに相対的に見れば莫大な行政コスト(=税金)がかかるようになっているということである。以前と同じ、道路、水道、電気・・・といったインフラを維持しても、その恩恵にあずかる受益者は人口減少や過疎化によって減少しているわけだから、例えば東京の新宿の道路を整備するのと、過疎化の進んだ市街地以外の道路を整備するのと、同じ範囲に同じコストをかけたとしても、受益者1人当たりに投下している税額は圧倒的に市街地以外の方が高くなる。乱暴だがそもそも市街地以外に人がすまなければ、そこにインフラを整備する必要もなければ、維持管理する必要もない。道路をつくる必要もない。整備する距離も短くて住む。道路を引くために樹木を伐採しなくても良いから環境も保全される。そこに投下されている税金をまるまる福祉や子育てといった喫緊の課題に回すことができるわけだ。

こういう話が出ると「居住の自由」とか「田舎に住んでいる人の切り捨て」といったセンチメンタルな議論が必ず出てくるし、それも全くもって同意するわけだけれども、ただ行政コストの面から論ずれば、人口が減っている市街地以外の地域に、しかも電気やガスや水道や道路といった不便がなく普通に住めるということは、とてもお金がかかることで、贅沢な行為になりつつあるという事実は、きちんと認識するべきだと思う。

この贅沢な状況を、何のインセンティブもなく捨てろといっても、そりゃ無理な話なのだから、コンパクトシティ化を真剣に進めたいのであれば、市街地に住むインセンティブを大きくするか(例えば市街地居住者に対する減税など)、市街地以外居住者に対する増税などを行うか(受益者負担の原則)、それに近いことを考える必要があろう。

市街地以外のエリアの緑多い環境に住むことは、とても素敵だし、素晴らしいし、羨ましいけれど、個人的にはこういったことが気になってしまって、なかなか両手をあげて賛成とは言えない、悩ましい状況である。

浅井

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