『ワレワレハエアホンヤダ!』第16回
最近渋谷に出現した、壁一面に植物が覆い茂っているビル、皆さんご存知ですか?
今回はこのビルの中にある、あの、新しい本屋さんからお届けします!
しかも前後編で!
ワレワレハエアホンヤ!
オープンを心待ちにしていたんダ!
HMV&BOOKS TOKYO〜〜〜!!!(前編)
2015年11月19日、渋谷のど真ん中にオープンした、HMV&BOOKS TOKYOさん。
ビルの5、6、7階の3フロアに渡る店内は、私も学生時代に通い詰めたHMVを思い出させる様な印象の内装。もちろん本だけではなくCDやDVDなどもあり、雑貨も、カフェも、なんと英会話教室まで並んでいます。
さらに各階には、大中小のイベントスペースや、バイトちゃんが大好きなラジオのブースも!まさに、好奇心をくすぐられる要素満載です。
その中でまず私が気になったのは、5階の「日本の風土」コーナー。
「落語や歌舞伎などの日本の伝統芸能の本が並んでいるなぁ・・・それから江戸時代、そして出雲・・・」と、わくわく進んでいくに従ってどんどんディープになり、ついに「土偶」まで行き着く!というコーナーです。個人的に、この棚の前にずっと居られるよ、私・・・と思えるほどの魅力を醸していました。
そしてその棚で手に取ったのは、杉浦日向子さんの
『呑々草子』
です。
今年映画化もされた、葛飾北斎の娘が主人公の漫画『百日紅(さるすべり)』の作者としても有名な杉浦さんですが、『お江戸でござる』も人気作の1つ。江戸のことならお任せあれ!の、いや、もはや江戸時代からタイムスリップして来た人なんじゃないの?と思わせるほどの、江戸を舞台にした作品や著書を多く残されている作家さんです。(2005年に逝去)
あの、『ピンポン』『鉄コン筋クリート』の松本大洋さんや、『海獣の子供』『リトル・フォレスト』の五十嵐大介さんなどのベテラン漫画家に、「一番好きな作品」と言わしめる『百日紅』に私も夢中になり、もう1冊読みたくなって選んだのは、あえて江戸物語ではなく、編集者さんと一緒にお酒を呑みながら現代の日本各地を巡る”旅行記”でした。
開いてみると……現代とはいえ、江戸の町人を思わせるノリと歯切れのいい口調なので、ついつい引き込まれて行きます。
そして1話目は、お正月より1ヶ月早いけど、お正月の体裁で初日の出を見に行こう!という、何とも愉快な旅。こういうユーモア、最高です。
まだ読み終えてはいないけれど、”ひと旅”を”お酒1杯分”として、ちょっとずつ楽しんで行こうかな、吞々。
……では、つづきは次の回で!
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■『呑々草子』
杉浦日向子(著)
講談社文庫
■HMV&BOOKS TOKYO
東京都渋谷区神南1-21-3 渋谷モディ5F・6F・7F
営業時間: 11:00~23:00
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