『ワレワレハエアホンヤダ!』第34回
2016年12月1日、木曜日。
その日はなんだか、ソワソワしていた。
ついに、ついに、この日がやってきたから……!
ワレワレハエアホンヤダ!
楽しみにしていた、「パン屋の本屋」に行って来たぞー!
しょっぱなから話が逸れますが…
店主の前職場であるチェーン書店で同時期に働いていて、当時は接点が無かったものの、そのお名前をよく知っていた、
花田さんという女性がいます。
書籍担当として社内外ともに有名だったので、密かに憧れていた人でもありました。
その書店をお互い辞めてから、ちょっとしたきっかけで仲良くなって、飲みに行ったり、一緒にイベントに出たり、編集された本に寄稿させてもらったり、今度こんなことやってみない?というお誘いをもらったり……
憧れの人は、面白くて、ノリも良くて、優しくて、そして何より本と本屋が大大大好きな、想像以上に素敵な女性でした。
さて、話を戻します。
「パン屋の本屋」は、日暮里にある「ひぐらしベーカリー」というパン屋さんに併設されている本屋さんです。
そして、そう、その花田さんが、「パン屋の本屋」の店長なんです。
パン屋と本屋は繋がっていて、その間には厨房とカフェスペースがあり、建物全体がコの地型になっています。そしてコの字の凹んでいる所はお庭なのですが、真ん中に大きな桜の木が植えられていて、ということは春にはお花見もできてしまう!そんな夢のようなお店です。
オープン当日の夜、シックな木目調の建物と、その店内からもれるあたたかい光にうっとりしてガラスの戸を開けると……花田さんと、いか文庫のバイトぱんでもあり、このお店のスタッフでもある、かしぱん(花田さんにはそう呼ばれています)が、笑顔で迎えてくれました。
店内は、独自のテーマに分けられた、だけれど日々の生活になじみそうなセレクトの本棚が並び、その間には、パンを買いに来たついでに手に取れるような雑誌も並んでいます。新しいマンション群の間という立地でもあるからか、子供が喜びそうな絵本もたくさん置かれています。
閉店までの1時間、興奮しすぎてちょっとぽうっとなるくらいの頭で店内を見て回り、店主が選んだ本はこれ、
『ぼくのにゃんた』
以前、花田さんに「今年一番の本に出会っちゃった!」と見せてもらった、ちょっとかわった猫、にゃんたの絵本です。
ページをめくるたびに「うふふ…」と顔がほころぶ、かわいいにゃんた。
そしてその本を「パン屋の本屋」の平台に積んで「うふふ…」と紹介している花田さん。
店主にとっても特別な本になって、「うふふ…」です。
「パン屋の本屋」は、私達の住まいからは少し離れた場所にあるので、悲しいけれど毎日通うことは叶いません。
近所に住んでいる人が羨ましくてしかたない、そんな町のほんにゃ…じゃなかった、本屋さん、です。
また来年も、イカなければ!
来年も、いか文庫も、よろしくお願いします!
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「パン屋の本屋」
東京都荒川区西日暮里2-6-7 ひぐらしガーデン1F
(日暮里駅北口から、徒歩5分ほど)
10:00〜20:00
http://panyanohonya.com/
『ぼくのにゃんた』
鈴木康広(著)ブロンズ新社 ¥1296
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