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『ワレワレハエアホンヤダ!』第35回

2017.01.31

一人暮らしを始めてから、かれこれ、20年くらい経ちます。
住んでいた家も、8カ所くらい変わっています。

ワレワレハエアホンヤダ!から!

……って訳じゃないんですけどね。

そんな私が、
次に引っ越すなら、やっぱり「団地」がいいなぁって思える漫画を読みました。

thousandwindowtsousanddoors

石山さやかさんの『サザンウィンドウ・サザンドア』

とある団地に住む、世代も性別も職業も環境も違う登場人物たちの、日常を描いた短編集です。

例えば……
結婚したばかりの夫婦の、花火大会を巡るお話、
共働きの親を持つ男子高校生と、元気なおばあちゃんのお話、
誰とも接しないで、静かに一人で暮らしたいと思っているおじいさんのお話
……などが、全12部屋分、収録されています。

私は「団地」に、ものすごく憧れがあります。
住んだことも、おそらく遊びに行ったことすら無いので、あくまでも想像なのだけど。

これまで読んだ本、たとえば、
西加奈子さんの『円卓』とか、
高野史子さんの『棒がいっぽん』に収録されている「美しき町」(正しくは団地ではない)
とかから受けた印象で、憧れているのかもしれません。

これまで8回も引っ越して来たけど、隣の人と仲良くなる、挨拶をする、なんてことは
あまりしたことが無かったから(隣人と険悪になり泣く泣く引越したことはある…)、
そんな関係性に憧れている、というのもあるのかもしれません。

かといって、べったりした関係でもなく、
「ちょうどいい距離感」がいい具合に保たれているような、
そんな理想的なイメージが、「団地」にはあります。

この漫画の物語達にも、その「ちょうどいい」が、
これまたすごく「ちょうどよく」表されているような気がします。
住んだことの無い私が、うんうん、何だかわかる気がするよって、頷けるくらいに。

住人それぞれが持っている生活感が、石山さんの描く気持ちのいい線と相まって、
とても心地よく味わうことのできる作品。

そうそう、作品ごとの最後にある、ふっとほほ笑むイラストも、見逃さないでくださいね。


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『サザンウィンドウ・サザンドア』
石山さやか
祥伝社 ¥972

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<補足>
サザンウィンドウ・サザンドアの特設サイトも、素敵なので見てほしいです。
http://www.shodensha.co.jp/twtd/

「団地団」という団地好きユニットのメンバーでもある、
大山顕さんの「団地マニア」目線の感想もとても興味深かったので読んでみてほしいです。
http://blog.livedoor.jp/sohsai/archives/52100838.html

<補足の補足>
石山さやかさん、イラストレーターさんでもあります。
個人的に以前から知っていて、石山さんが描いた「本を読む男の子」のイラストが大好きで、
ポストカードを今でも部屋に飾ってます。
ちなみに、この漫画の中で店主が一番好きなのは、一番最後のお話です。
自分のことを言われているかと思った!って思ったからです。

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